ハーンが気になり始めたのはいつ頃からなのだろうか...
休みもなく朝も晩もひたすら働き続けていたある時、たまたまテレビでやっていた
ラフカディオ・ハーンの特集を見たことがそのきっかけになったように思えます。
"この人が見続け、求めていた世界とはどんな世界だったのだろうか?"
そしてそれから数年が経ち、仕事への情熱も自分の目指す道も見えなくなっていたある時、
なぜか心に”ハーンが見続けていた世界を一度見てみたい”という気持ちが沸々と湧き出てきました。
そしてこの強い衝動に駆られ、気がつけば深夜、車で彼が過ごした街、松江に向かっていました。
この行動が自分にとっての長い長い旅の始まりとなるとはその時思ってもいませんでした。
その後の旅で多くの経験をし、そして多くの出逢いもしました。
自分の道を見つけるためにいつまでも旅を続けている人、
自分の苦しかった思い出を忘れるために旅をする人、
夢に向かって進んでいる自分を再確認するために旅をする人、
そして、自分たちのルーツを探して旅を続けた人
出逢った人全てがそれぞれの人生を背負い、悩み、強く生きている様に感じました。
そして、彼らに多くの事を学び、自分も少しずつ強くなっていった様に感じました。
今から100年前にこの地に生を受けた この人物にもちろん出逢ったことはなく、
また出逢うことも出来ませんが、彼によってこの人生を導かれたように思えてなりません。
そして、あの頃とは別の生活を行っている現在も僕は旅を続けています。
"毎日の生活の中の出逢いや出来事を通じて..."
最後に...
彼の愛したこの日本、そして彼に重大な影響をあたえたアイルランドに残る
意味の無い憎しみが喜びへと変わっていくことを心から望んで...