Dong Khai Street / T.P Hô Chí Minh, Socialist Republic of Viêt Nam
ヴェトナム最大の商業都市 ホーチミン
かつての南ヴェトナムの首都 - サイゴン - だったこの街は
その光と陰を 今も強烈に解き放ち続けている
〜 未来へと続く光 〜
変貌し続ける ホーチミンの街を ひたすら歩いた
"ドンコイ通り レタイントン通り トンドクタン通り レロイ通り ファングーラオ通り グエンフエ通り "
"文化公園 サイゴン大教会 中央郵便局 メリン広場 サイゴン川 ... "
日中の通りは パワフルな人々の熱気に包まれているが
夜になると それは煌びやかな人工の光のオブジェ - 電飾 - に包まれる
まさに その姿は "東洋のパリ"
日中の街は 熱帯気候独特の蒸し暑さに包まれるも
夜になれば サイゴン川から吹く 心地よい風に気が休まる
そんな中 風のあたるバーやカフェで過ごす時間は 至福のひとときであり
ここが ヴェトナムであることを忘れる瞬間でもある
" ベンタイン市場 リートゥチョン公園 チョロン地区 ビンタイ市場 ティエンハウ廊 ... "
地元の人々の集まる場所へ 一歩足を踏み入れると
変化の中にあって 変わらない人々の暮らしが垣間見れる
〜 市場を仕切る女店主との値段の駆け引き 地元の食堂で皆と笑いながら取る食事 〜
これもやはり 旅の中での至福のひとときであり
それこそ ヴェトナムにいるという事実を強く認識できる瞬間でもある
もし 次に訪れる機会があるのなら その時は全く違った光景に出逢うのだろう
この街は常に "未来へと続く光" を発し続けている
〜 かつて刻まれた歴史のおもかげ 〜
" Socialist Republic of Viêt Nam (ヴェトナム社会主義共和国) "
サイゴンがホーチミンとして生まれ変わる過程において
この国は深い傷を負うこととなる
その歴史に触れるため 街に点在する"残されたメッセージ " を探し歩いた
〜 ホーチミン作戦博物館 〜
1975年4月30日 サイゴン陥落
その輝かしい時を迎えるまでの 数々の戦いの資料がここには展示されている
ホーチミンが生前率いた北ヴェトナム軍
そして 南ヴェトナム政府に反旗を翻す民衆達の力の結集
とてつもない傷を負って勝ち取った この勝利は彼等の誇りに違いない
正面に飾られたホーチミンの肖像が 力強く微笑んでいた
〜 統一会堂 〜
かつての南ヴェトナム政府 大統領官邸 - 大統領宮殿 -
解放軍による無血入城により サイゴン陥落の象徴となったこの場所は
今や迎賓館として使用されるとともに 一般の人々や観光客にも開放されている
"煌びやかな内装 豪華な建物 "
その屋上から 建物の庭や平和な街の様子を眺めていると
ここで起きた過去の出来事が まるで嘘のようにさえ思えた
だがこの建物の地下には 大統領の司令室などとして使われていた軍事施設が
当時のまま 大切に残されている
地下の光景と地上の様子の あまりにも大きなギャップに
このくにの奥底に残る 歴史の深さを感じずにはいられなかった
〜 戦争証跡博物館 〜
旧名 中国・アメリカ戦争犯罪博物館
かつての名の示すとおり 主にヴェトナム戦争時代の
敵国アメリカ軍による行いを 強烈なメッセージで伝える施設がホーチミンにある
皮肉にも ここはかつて 米軍情報省の建物だった場所
ピューリツァ賞受賞写真家 沢田教一氏の "安全への逃避"
ソンミ村という集落でアメリカ兵が起こした村民虐殺などメッセージ性の強い写真たち
ヴェトナム人に対する 数々の拷問の証拠 各国からのアメリカ批判のメッセージ
アメリカ軍が使用した 非道な武器の数々...
ヴェトナム側から見た戦争記録の数々が 至るところに展示され
訪れた多くの人々の心を震わせ続けていた
ただ ここを訪れるのは ほとんどが欧米人をはじめとする観光客達
発せられる強烈なメッセージには 何らかの意図も見え隠れする
その意図の意味するところは正確にはわからない
ただ ここに飾られている数々の物証は
実際に ヴェトナムの大地で起きた悲劇を物語っていることだけは確かである
泥沼のヴェトナム戦争において 圧倒的な軍事力を誇るアメリカに勝利した彼等
その反面 隣国カンボジアに侵攻し 世界中からの批判を浴びた彼等
いろいろな目線から放たれた これらの情報の渦の中に
この国に刻まれた深い歴史の傷と したたかさの両面が見え隠れする
〜 真実の光 真実の陰 〜
こうしている間にも この巨大な街ホーチミンは動き続けているのだろう