報道写真家 一之瀬 泰造
"地雷を踏んだらサヨウナラ"
1973年11月29日
彼はクメール = ルージュ支配下のアンコールワットに憧れ
その目前まで迫りつつも 残念ながら辿り着くことなく カンボジアの地でこの世を去った
享年 26才
バングラデッシュ難民 ヴェトナム戦争 そしてカンボジア内戦
彼の写真には報道写真というより 戦場に生きざるを得ない人々の生身の姿がいつも映し出されていた
そして それらの写真を通して放たれた光景に憧れ 私はカンボジアの地を訪れたのだった
1982年2月1日
一之瀬 泰造の遺骨が シェムリアップより北東に14kmのプラダック村にて掘り出され
立ち会ったご両親の手元に戻った
シェムリアップにて荼毘に付されたのち 灰になった彼の遺骨の一部は
アンコールワットを望む 池のほとりのガジュマルの木の下に分骨され 今も安らかに眠っているという