今回の旅で真っ先に目指した"the Island" との別れの時がやって来ました。
朝、食事をとり、仲良くなったオーストラリア人のカップルとの別れを済ませ、
僕はフェリーでアイルランド本島へ向かいました。
インフォメーションオフィスで聞いていた時間より1時間ほど遅れてフェリーは島を出発し、
途中、アラン諸島の他の島々に寄りながら本島の小さな村
Doolin にたどり着きました。
地元の人にこの辺の宿の場所を聞き、泊まる場所はすぐに確保できました。
そして自転車を借り、近くの名所 ”モハーの断崖”へ行こうと思ったその時、
ある問題に気づきました。
財布の中の残りのお金がほとんど無い...
クレジットカードは持っていたものの、さすがは田舎の村、使える所は全くと言っていいほど
ありませんでした。
そのため、急きょ予定を変更し歩いてモハーの断崖まで歩いて行くことにしました。
村から5キロ以上の道のりでしたが時間も十分あり、ちょうどいい散歩気分を
味わいながら約1時間半ほどで目的地に到着しました。
途中、すれ違った自転車の人達に声を掛けられたのがとても印象的でした。
到着後、すぐに200mの断崖ってどんなものだろうと興味津々(?)で崖の端まで行ったのですが、なぜか
怖いという感覚がありませんでした。
完全に昨日のアランの断崖で高さの感覚が麻痺しているなぁ。
この旅から高所恐怖という感覚が無くなってしまいました。(笑)
そして崖から少し離れた位置でその断崖の姿をしばらく眺めていました。
" 目の前に広がる大好きな映画"ガイアシンフォニー(第1章・エンヤ編)" のある一場面の光景 "
日本の海の外に出たことのなかった自分が今、一人でこんなに遠く離れた国にいると
いうことの意味をこの場所でも考えずにはいられませんでした。
この場所でのひとときを堪能し、
Doolin の村に戻ろうとした僕は、ある失敗を犯してしまいました。
来た道を帰るのも面白くないと思い、帰りは海岸線を歩き村まで戻ることにしたのですが、
ここに思わぬ落とし穴がありました。
この観光地を離れ、何処までも続く海岸線沿いの道を登ったり下ったり、そして下から上(空)へ向かって
降る雨 (実際は崖に流れ落ちた水が凄まじい風によって上空に飛ばされているだけなのですが...) を
時々眺めながらまだ見えぬ村に向かってひたすら歩いていました。
そして、30分位歩いた時、目の前の道が行き止まりとなり、その先が放牧地となっていました。
さすがにここまで来て戻るわけにはいかないな。
そう考え、放牧地の柵にそって再び歩き始めました。
そしてしばらく歩き、この柵を乗り越えた瞬間、この柵の意味を初めて知りました。
ジジッ
鈍い音がなり、"アチッ" と叫んだ声を聞き、すぐ近くで作業をしていた地元の人から
大きな笑い声が聞こえてきました。
電気が流れていたのですね。 この柵の針金には...
そしてしばらく進むと目の前に看板が立っており、なにやら注意書きがありました。
" この針金には電流が流れていますので十分注意して下さい" と...
まぁ、勝手に人の土地に入ってしまっていたのだから仕方ないかと思いながら歩いていると、
家が何軒か見え、無事にこの日の宿泊場所に到着しました。
何かこの短時間で貴重な体験をしたような気がした今日1日でした。
to be continued...