dublin



O'Cconnell Street / Dublin, Republic of Ireland




"明日の朝、お別れを言いにいつもの場所でまた会おう"



ダブリン出発の前夜、次の日にイタリアに帰る友人達とそう約束をして

ダンスパーティーの会場を後にしました。



"とうとうこの街ともお別れなんだなぁ"



そう思うと何か無性にこの街に触れていたくなりました。


そしてバスで約30分ほどかかるステイ先の家までこの日は歩いて帰りました。



〜 心地よい夏の夜の風。 周りの木々から漂ってくる夏の香り。〜



この感覚は二度と忘れることが無いでしょう。


ダブリン最後の夜にして、初めてこの街に触れたと感じた瞬間でした。










次の日の朝、友人達との別れを済ました僕は、アイルランド第3の都市Galway に向かいました。



ダブリンより列車で約3時間、Galway の街に着いた後、更にバスに揺られ

この日の最終目的地 inverin を目指しました。



〜 それにしてもすごいところだなぁ 〜



Galway の街を出てしばらくすると、まるで自然が人々を拒絶しているかのような

荒々しい姿に周りの風景が変わって行きました。



〜 本当にこんなところに泊まる場所があるのだろうか 〜



ちょうどそう心配していた時に、バスの運転手さんから" 着いたよ "という声が掛かりました。


バスの運転手さんに着いたら教えて、と言っておいてホントよかったなぁと思いながら

この日の宿泊場所に入りました。


さすがに時間も早く、お客さんは誰もいなかったため、しかたなくその辺を散歩することにしました。





〜 ずいぶん遠く来たもんだなぁ 〜



民家の周りには目立った木々は無く、視界のほとんどが岩だけというまるで

"この世の果て"を思わせるような風景を目の前にして、ふとそうつぶやいていました。



〜 なぜこんな所まで来たのだろうか... 〜



そんな疑問がどこからともなく湧いてきたのですがこの場は無視して、宿の方に戻りました。

宿に戻ると、先ほどは誰もいなかった部屋に1人お客さんがおられました。



「日本から来たのかい?」


はい、そうですが... あなたはどこから来られたのですか?


「地元の Galway だよ。 今回は "あの島" に渡ろうと思ってね。」


彼は、そう言いながらアラン諸島の方を指さしました。

 と言っても暴風雨のため視界には島など見えるはずなどなかったのですが...




「それにしても、何かとてもいい風景だね。」


日本から持ってきた緑茶を一緒に飲んでいた彼がぼそっとそうつぶやいた瞬間、

荒れ狂う外の風景がとてもいとおしくなりました。



ほんとにいい風景ですね。



この日の晩は日本が大好きという彼とアイルランドのこと、日本のことを遅くまで語り明かしました。


外の暴風雨なんてまったく気にも止めずに...






half_penny





                         to be continued...





main page      next place