Puno から Cusco へ
本当は高原列車に揺られてのんびりと向かいたかったが 運行日と予定が合わず
代わりに少し奮発して観光客向けのツアーバス
" First Class" にてこのルートを抜けることにした
Cuscoまで約8時間 距離にして約390km
幾つかの村々などに立ち寄りながら このバスは旧インカ帝国の首都へと向かうのだった
〜 AM 9:30 〜
バスはPunoの街を抜けると 目の前の高台をどんどん上って行く
そのとき車窓には 美しく雄大なチチカカ湖の姿が広がっていた
こんな凄い湖が 富士山よりも高い場所に位置するなんて 本当に驚かずにはいられない
高台を上り終えると 目の前には一本の線路と荒涼とした大地が延々と続いていた
そして その光景の中を走り続けるツーリストバス
英語を話すバスガイドまでいて 何ともリッチな気分になります
他の乗客は 一見お金持ちに見える年配の白人の方々ばかり
なんだか自分には場違いで 全く不似合いな場所にいる感覚になるのだった

Punoから走ること約2時間
最初に立ち寄った場所は プレ=インカ時代の遺跡で有名な Pukaraという街だった
教会に集まる町びと 走り回る子どもたち 朝のパンを売る売り子たち ...
〜 朝の静かなひととき 〜
教会と広場を中心にひろがる こじんまりとした街中を散策する
ところで 見所と思われた遺跡は街はずれにあり 今回の観光コースには入っていないという
その代わりとして 最後に街の中にある この遺跡の博物館に立ち寄った
- 幾つかの部屋に分かれて飾られた 遺跡からの出土品 -
そこで出逢ったある石像は こちらが来るのを この場所でずっと待っていたような雰囲気を醸し出していた
次に辿り着いたのは La Laya という峠だった
"海抜 4319m"
ここは今回のルートの最高地点であり 今でこそ中国の西蔵鉄道にその座を奪われたが
ほんの数年前まで 世界最高地の駅がある場所として有名だった
列車に乗れなかったので この場所に来る事を諦めていたが
バスが立ち寄った場所のすぐ近くに線路が通っており ラッキーな事に元世界最高地の駅も目の前にあった
短い停車時間だったので 大慌てで駅を訪れ
こんな高地なのに全速でダッシュする羽目にもなったが とても貴重な時間を過ごせた
途中 名も知らぬ街で バスは ツアーお決まりの土産屋にも立ち寄った
ここでの買い物には全く興味が無かったが 一角にあった動物との触れ合いコーナーはとても気に入った
- リャマにアルパカの子供たち -
あまりにも可愛い過ぎて カメラを向けずにはいられなかった
そして昼食を取り 次に訪れたのはインカ時代の寺院の遺跡 Raqchi
石垣のみ残る遺跡の傍では 大勢の子供達がサッカーを楽しんでいた
こういう光景は 本当に見ていて飽きない
遺跡中に響き渡る子どもたちのはしゃぎ声が 何とも心地よかった
ところで 同じバスの中にバックパッカースタイルの乗客がもう一組だけ居た
彼らはスペイン語を自由自在に操れたため 子供達ともかなり打ち解け
おしゃべりしたり 一緒にサッカーをしたりして楽しんでいる
その光景は微笑ましくもあり 少しうらやましくもあった
やはり語学というものは 身に付けておくに越したことがない
そして最後の訪問先は Andahuaylillas という街だった
〜 Cuscoまで約40km 〜
ここの見どころは教会
Iglesia de San Pedro de Andahuaylillas
アメリカ大陸のシスティーナ礼拝堂と呼ばれ 修復中ではあるものの
壁に描かれた絵画や装飾・彫刻からは その歴史の重さを十分に感じることが出来る
" アンデスに抱かれた 素朴な街並み "
街自体 教会以外は何も無いけど 飾りっ気のないその情景が こちらの心を何故か擽るのだった
こういう雰囲気の場所が たまらなく好きである
そんなこんなで約8時間の充実したツアーは終わりに近づき
バスは終着地クスコの街へ辿り着こうとしていた
そんな時 バスガイドのお姉さんが マイクを手に話し出す
" ここクスコはとても安全な街です 至る所で皆様旅行者の安全を守る観光ポリスが治安を守っています
どうぞ安心してクスコ観光をお楽しみください "
最近は随分と治安も良くなったと聞くが この旅の当時のクスコの治安はかなり悪かった
彼女の自信に満ち溢れて乗客に話すその様子が 滑稽に見えて仕方ない
そしてバスはクスコの中心部から少し離れた場所にある バス会社の前で停車した
これにて リッチなバス旅行は終了した
リラックスした時間は終わり 再び気持ちを引き締めなおして 一路 クスコの中心部アルマス広場へと向かった