イラン人、インド人、フィリピン人、インドネシア人、中国人、日本人、タイ人、マレーシア人 ...
この国でどれほどの出稼ぎの労働者達と出逢い、すれ違ったことだろう
そしてこの街では 彼等にどこで出逢っても違和感を感じることはなかった
タクシーやバスの運転席、食堂のレジ、街の露店、お洒落な美容室の中、高級ホテルのフロント ...
彼等は自分達の持ちうる才能を 当たり前のようにその職業で発揮しているように思えた
そう感じたのは彼等の瞳の輝きからかもしれない
彼等の瞳を見ているだけで 何だかささやかな幸せを感じることができた
なのに ふとこの光景のなかで、記憶の中のある世界 - 国 - に対し 強い違和感を感じる自分を見つけた
〜 自由と平等の国 〜
その国で この言葉を口にした人々は皆 瞳に輝きを持っていた
しかし、この国のなかで 一歩向こう側に広がる世界 - 環境・光景 - を見ると
それが明らかに妄想であると 強く感じることができる
〜 自由と平等 〜
それは あの国では 一部の者にだけ与えられた権利?
何者かを搾取することでしか得られない妄想?
アラブの大都市で見た風景に ただ考えるしかなかった
自由とは何のためにあるんだろう? 平等とは 一体何なのだろう?